2013年7月26日

ガーデニングのある町並みで暮らす障がいのある人たち

花を中心とした自然の中でコミュニケーションをとれる町並み


園長 今日のゲストは木戸さん岩倉さんというむぎのこ卒園児のお母さん、そしていつもの古家ばばばあちゃんが来てくれています。
昨日実はむぎのこに北海道新聞の花新聞の方が取材に来ました。どうして取材の来たかというと…
ばばばあちゃんお願いします


古家 ある町並みの中で、障がいのある人たちがその地域で暮らしてるというのを記者さんが知ったそうです。
その町並みにお花がどのように飾られているのだろうということでいらっしゃいました。
障がいのある人たちがどのようにお花とともに暮らしているのか、ということを取材にいらっしゃったようです。


園長 そうだったんですか。私はちょっと仕事でご一緒出来なかったんですけども、どんな印象を持たれたでしょうね。

古家 木戸さんはイギリスに二年前に行き、去年は岩倉さんがフランスに行き、北川園長は同じく去年サーシャの家と赤毛のアンの家に行ってきました。そういう話をしたところ次のようにまとめてくれました。

「ケアホームを中心に20軒くらいの人たちがみんなで住んでいる町並みというのは日本ではあまり見られない。そういう暮らしぶりとそこにある花がシンプルでナチュラル。ガーデンのある暮らしの中で、木戸さんや岩倉さんとか(このお母さん達は、コミュニケーションが苦手な人たちなんですけど)、そういう人たちがお互い近くに住んで、花を中心にして外に出てそこで自然とコミュニケーションが取れる。そういうコミュニティづくりをされてるんですね。」ということでした。


園長 そうですね。花のお世話を朝ラジオ体操が終わってからみんなで15分くらいしてます。昨日この花が咲いてなかったのに咲いてるとか、野菜がいっぱいだねとかキッチンガーデンの方にいくと子ども達がチューリップあったとか、小さな発見がたくさんあります。

今日なんかは、でっかい直径10センチくらいあるズッキーニが採れたり、小学生の女の子が大根をもいだり、そういうことでいろんなコミュニケーションとれますよね。

昨日などは風邪が強くトマトの支柱が取れてたりすると、年配の60歳くらいのお母さんで、いつもは「腰痛い、腰痛い」と言ってる人が、ちゃんとその支柱を直してたりとか。そういうコミュニケーションをガーデニングを通して、障がいがある青年たちも含めてみんなで取ってる。お水あげながらもこっちだよーとか、みんな慣れちゃって自分の場所とかあるんですね。

こんなふうに、みんなラジオ体操が終わったあと楽しくやってますね。


海外の花のある暮らしを見てきました


園長 木戸さんなどは有名なガーデナーの吉谷桂子さんという人とイギリスのガーデニングの本場に行ってこられたんですけど羨ましいですね。どうでしたか?

木戸さん すごくきれいで各家にお花が飾ってない家がないというのがイギリスでした。それも自然な感じで日本のようにこてこてしない。どこの家でも必ず花はあるという感じで文化になってるんだなというのがわかりました。


園長 どのへんに行ったんですか?


木戸さん イギリスのコッツウォルズです。


園長 有名ですよね。


木戸 家はどの家もちみつ色です。黄色っぽいベージュの。家の形はそれぞれ違うんですけど。


園長 壁が決められているのかもしれませんね。


木戸さん 何百年も前から、鉱山で石が取れる地域でそれで家を建ててる。


園長 スウェーデンでは赤い家が多いんですよね。日本のスウェーデンハウスって、赤い壁と白い窓が多いですよ。他の色って意外となくて、どうして何でしょうと前に専門の人に聞いたことがあるんですが、赤錆なんかが取れる塗料になるようなのが取れるって言ってました。


木戸さん レンガを積み上げたような家を何百年も建て替えないですよね、あっちの人は。ずっともつ石だから。コットールズはどこにでも花が飾られててきれいでした。お花もまた鮮やかな花が多いので。


園長 イギリスって曇った雨が降って暗いイメージがあるんだけど。


木戸さん ロンドンのほうはそんな感じでした。でもコットールズは本当に明るい田舎っていう雰囲気でした。


古家 空気が澄んでるんですね。


木戸さん 静かでのんびりしてる。石畳も全部はちみつ色だし。


園長 私コットールズの方じゃなくてカンタベリーの方に行ったことがあるです。息子がいたんでそこのビー・アンド・ビーなんていう民宿みたいのに泊まって、なんか北海道に似てる感じしますけどね。町並みとか雰囲気とか草の感じとか。一般の人が手入れしてるから草生えてるんですよね。

古家 フランスの田舎はどうでしたか?お花やっぱり多かったですか?

岩倉さん 木戸さんの話を聞いてて思い出したんですけど、お花を飾っている家は木の家でベランダが絶対あって、こっちでいったらベラニウムのような同じ色のお花を窓全部に飾ってあるんですよね。それがすごく綺麗でした。

 飾ってない家もあるんですけど、家も黄色の家で綺麗。やっぱり統一されてるのって綺麗なんだなて思いました。いろいろな花が混じってなくて一種類の花ってすごい。前はわかんないので色々混ぜて色々な花がある方が綺麗なのかなと思ったんですけど、統一して飾ってそちらのほうがすごい綺麗なんだなって今は思います。



花と自然の中で暮らす


園長 10年くらいまえにお花が綺麗なのはわかるんだけど植え方も何もわからないかったときに確か造園屋さんにこういうイメージで植えて欲しいって頼んだことがあったんですよ。
いまのむぎのこの屋上庭園で。そしたらそのとき賞を頂きましたよね。


古家 緑化協会から。


北川園長 その時は自分たちでやったわけではないのに賞を頂いて悪いなー とか思いましたけど。でも道新の、確か読者の欄に載ったんですよね。やっぱり花を大事にしている園で子ども達もきっと大事にされてるんじゃないかって、そういう風に載ったんですよね。本当にみんな大事にしなきゃないよ、これは。新聞に載ったんだからってね。今まで以上にねって言ったことを覚えてます。

やっぱり花と人との関係とかガーデンと人との関係というのはすごくあるなぁって。子ども達も毎朝お花を見て園に入るっていうのがね。やっぱり全然お花のことも興味がなさそうだけど、その感覚が覚えてるというか。コンクリートの中に入るよりもそういうのが大事なのかなって。感性ですね。感性を大事にしたいなっていうところで。むぎのこの周りにも花を植えてます。

それで私も去年ボストンに花を見るためと言うよりは、仕事も含めて行ってきたんですけど、ボストンの町並みがやっぱりとってもきれいでした。あそこはハーバード大学もあって、レンガが主流でマンションもレンガ造りで。ひとつひとつのお花はそんなにこってなかったです。誰でもができるみたいの感じのお花でした。

シンメトリーで統一感があって、同じ花がストリートにあるっていうか。なんかこう葉っぱがばーっと広がって、そこに黄色い花があって、緑のアイビーみたいのがあって。それがずっとストリートに同じくあったり。あとハンギングもあったんですけど、ペチュニアとか簡単なお花を何個も植えて、同じ色を一段目が白、二段目が黄色、三段目赤とか、すごい簡単にシンプルに同じのをストリートに並べて。
「ああ、こんなんでいいんだな」って。

ガーデニングって追求するとすごくて、今上野ファームとかいっぱいいっぱい素晴らしいガーデンがありますけど、自分たちは自分たちがやりたいように背伸びしないで、みんなが眺めて気持ちよかったら良いんだなー、ていうのが私の結論でしたね。

都会のボストンでもそうでしたし、カナダのプリンスエドワード島でもほんとう気取らないで、ルピナスがいっぱいだったり。ルピナス畑もあって、それは北海道にほんとそっくりでした。みんなあまり力まずにやっているから、いろんな人が出来るんじゃないですか。
 
 慣れればなんでも簡単にできるから、文化ができるとみんなのものになっていくのかもしれないですね。ただただポットごと置いてる家もあったしね。気は使ってるんですよね花に。お水あげないといけないから。でも肩ひじ張ってないという感じですね。

 ターシャのところは、ターシャの生き方がすごくてね、かなり年配になってから家を建てたり、ガーデン作ったりしましたよね。すごい方だなと思って。どんな生き様だったのかなというところで、現地に行ってみないとわからないなと思って行ってみたんですけど、とてもナチュラルでしたね。

もう草ぼうぼうって感じで。他のツアー客なんか怒ってる人もいましたけどね。日本人て結構きちんとしてるから美しいガーデンをイメージして行くから。行ったら草ぼうぼう、キツネかなんかの対策で電気のガードみたいなのが穴にも埋めてあったりだとか。でもサーシャさんの意志だったんじゃないですか?自然に帰るみたいなね。あれはあれでいいんじゃないかと思って。その人が好きなようにやるっていう感じでしたね。

ちょうど去年、野口英世の家に行ったんですよ。会津のね。そしたらちょうど同じアンや若草物語と同じぐらいの時代に生きた野口英世の家がほんとうに貧しいというか、日本では当たり前なんだけど土間とかで、いやーなんか寒いし、土間が半分どこにトイレがあるんだろうみたいな。

だからその同じ時代の家の中身がぜんぜん違うっていうか。ターシャの家はオーブンもストーブもアイロンもできるし普通のやかんも温められるし、そういう機能的なストーブなんですよね。もちろんお家の中もソファーがあって茶箪笥みたいなのも綺麗だし、カーテンも素敵だし食器もいいし、すごい古い時代のをそのまま再現してるんですけど。

世界中でいろんな人達が同じ時代に暮らしてますけど、随分歴史とか文化が違うんだなってことを改めて発見しましたね。私、割とカントリー的なイギリス的な家具は好きだったんですけど、私達のルーツはあの野口英世の家のような藁葺き屋根にあるんじゃないかって。それでもいいんだけども、やはりいろんな中で人間が暮らしていくっていうか、自然とともに暮らしていくのがいいんだなっていうことを思いました。

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